大雨のとき、トイレから「ボコボコ」という音がして不安になったことはありませんか?
この現象は、下水道や排水管の内部で空気や水の流れが乱れることで起こります。
放置しても自然に収まる場合もありますが、場合によっては逆流やつまりなど深刻なトラブルの前兆かもしれません。
この記事では、大雨時のトイレ異音の原因や仕組み、家庭でできる応急処置、そして業者に相談すべきタイミングまで、詳しく解説します。
大雨時にトイレがボコボコ音を立てる原因とは?
大雨のときにトイレから「ボコボコ」という音がするのは、多くの場合、雨水が下水道や汚水管に急激に流れ込み、管内の空気が押し出されることが原因です。
特に集中豪雨時には下水処理能力が一時的に限界を超えるため、空気や水が逆流しやすくなります。
音だけで済む場合もありますが、長引くと汚水の逆流や排水不良につながる可能性があるため注意が必要です。
雨水による汚水管内の空気圧上昇と異音
大雨で道路や屋外排水溝から大量の雨水が下水道に流れ込むと、内部の空気が行き場を失い、排水管内で圧力が急上昇します。
この圧力が逃げる経路のひとつがトイレの排水口で、空気が水面を押し上げることで「ボコボコ」という異音が発生します。
都市部の古い配管やマンションでは、雨水と汚水の系統が共通なことも多く、特に音が出やすい傾向があります。
天候回復後に自然と音が収まるメカニズム
雨が止み、下水道内の水位が下がると、排水管内の圧力も安定していきます。
これにより、トイレの水面に空気が通過する現象が収まり、異音も自然に消えていきます。
このため、短時間の異音だけであれば必ずしも配管トラブルとは限りません。
ただし、晴天時でも音が続く場合は、別の原因(つまりや破損)を疑う必要があります。

排水管やトラップのつまりが引き起こす異音
大雨とは関係なく、トイレ内部や排水管の途中につまりがある場合も「ボコボコ音」が発生します。
紙や異物、尿石などの蓄積で水の通り道が狭くなり、流れる水と空気が干渉して音が出るのです。
さらに、排水トラップ部分で水の流れが滞ると、空気抜きがうまく働かず異音が増幅します。
ゴミや紙などで管内に汚水が停滞する仕組み
トイレットペーパーや流せるシート、髪の毛などが排水管に引っかかると、その周囲に汚れや尿石が付着して徐々に水路をふさぎます。
この状態では、水の流れが悪くなり、空気が小さな泡となって通過する際に「ボコボコ」という音が生じます。
特に配管が古い住宅では、わずかな段差や曲がり部分に異物が溜まりやすく注意が必要です。
空気の流れと水位変動による異音発生の仕組み
配管内部は常に水と空気のバランスで成り立っています。
つまりがあると、このバランスが崩れ、流れの途中で水位が急に上がったり下がったりします。
その際、空気が一気に移動して水面を揺らし、ボコボコ音を生み出します。
水位変動が繰り返されると、異音は長時間続き、逆流のリスクも高まります。
自宅でできる簡単な対処・応急処置法
一時的な異音や軽いつまりであれば、自宅でできる応急処置で改善できる場合があります。
大切なのは、配管や便器を傷めない方法を選び、作業中は水があふれないよう注意することです。
ここでは代表的な3つの方法を紹介します。
50℃程度のぬるま湯でふやかす方法
軽いつまりは、ぬるま湯を使って固まった汚れや紙をふやかすことで解消できることがあります。
バケツに50℃前後のお湯を汲み、便器の排水口に向けて静かに注ぎます。
熱すぎるお湯は陶器や配管を傷める可能性があるため避け、30分ほど置いてから通常通り水を流して様子を見ます。
ラバーカップ(スッポン)で吸引・押し出す方法
トイレのつまり解消といえばラバーカップ。
便器の排水口をしっかり覆い、押すよりも引く動作を意識して使うと効果的です。
引くときに水と一緒に空気も動くため、つまった異物が動きやすくなります。
複数回繰り返しても改善しない場合は無理をせず、次の方法か業者相談に切り替えましょう。
簡易水嚢(水入りビニール袋)で逆流を防ぐ
大雨で一時的に逆流の恐れがある場合、水を入れたビニール袋を便器の排水口に密着させることで汚水の吹き上げを防げます。
これはあくまで応急処置であり、完全に水をせき止めるわけではありませんが、室内の汚れや悪臭の拡散を軽減できます。
異音が治まらないときはどうする?専門業者への依頼も検討
数日経ってもトイレのボコボコ音が続く場合、配管や下水道の深刻なトラブルが進行している可能性があります。
特に、異臭や水位の変動、便器内の水が濁るなどの症状がある場合は、早急な対応が必要です。
異音が続く場合のリスク(逆流、悪臭、汚水漏れ)
配管の異常を放置すると、最悪の場合、汚水が便器や床に逆流します。
また、下水ガスが室内に入り込み、健康被害や悪臭の原因にもなります。
さらに、汚水漏れによる床材の腐食やカビの発生は修繕費用が高額になるため、早めの対処が重要です。
業者へ相談するタイミングと選び方のポイント
音が続く、排水が遅い、水位が不安定などの症状がある場合は、専門業者への相談を検討しましょう。
選ぶ際は、24時間対応か、現地調査と見積もりが無料か、作業内容や保証の有無を確認することが大切です。
口コミや実績も参考にすると安心です。

まとめ:大雨でトイレがボコボコと音が鳴るのはなぜ?
大雨でトイレがボコボコ鳴るのは、下水道の空気圧変化や配管のつまりが主な原因です。
短時間で収まる場合は心配いりませんが、異音が長引く場合や悪臭・逆流が伴う場合は早急な対策が必要です。
ぬるま湯やラバーカップなどの応急処置で改善することもありますが、異常が続くときは迷わず専門業者に相談しましょう。
早めの対応が被害拡大を防ぎ、安心して生活を送るためのポイントです。
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